植木投げの法
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空腹紅白
 久々にssを更新です。
 ssを更新するときはいつもこれを言ってる気がしますね。
 …大目に見てください、お願いいたします。

 今回は初の霊夢のお話です。
 違和感凄いですが、気にしないでください。
 切実なお願いです。

『空腹紅白』


 朝と言うには遅く、しかし昼と言うには早い時間。
 柔らかと言うにはいささか厳しい光を浴びて陰鬱に光る香霖堂には、紅白の巫女が訪れていた。

「ここ最近来なかったけど、どうかしたのかい?」
「…あら、寂しかったかしら」
「まさか」

 だなんて軽口を叩き、再び静穏に戻る。
 それはいつもの香霖堂だった。
 霖之助が本を読み、霊夢が茶を啜る。
 あと一つ何かが欠けている気がした霖之助だが、思い出せないのならそう重要でもないと考え直し、本のページをまためくる。
 そんな静穏はしかし、なんとも間抜けな音に罅を入れられてしまった。
 ぐぅ、と霊夢の胃が蠕動したのだった。

「…まだ昼食には早いはずなんだが」

 眉をひそめて言う霖之助。
 しかし、霊夢は動じない。

「ここしばらく、何も食べてないのよ」

 否、動じる余力も無かった。
 見れば、少しやつれている気もする。
 というか、だいぶ悲壮感に包まれていた。

「変ね、もうお腹は鳴らないはずなのに…」

 お茶が効いたのかしら、と虚ろに呟く霊夢。
 霖之助はここに、本物の非壮を見た。
 しばし眉間に指を当てて考えた霖之助だが、不意に立ち上がって奥に消えた。
 あとに残された霊夢も、勘定台に突っ伏すだけだった。




 霖之助が奥に消えてから、少したった。
 半ば意識を失っていた霊夢の嗅覚が、いい臭いを感じた。
 なんとか気力で目を開けてみると、そこには簡単な料理が一人分乗ったお盆。
 そして、それを持った霖之助が…一人。

「ほら、起きろ」

 と言って、勘定台にお盆を置いた。
 そして霊夢の後ろに回り、起こしてやる。
 わざわざ箸を持たせて、頭を軽く叩く。
 そこでようやく意識が覚醒し、目の前の状況を飲み込み始めた霊夢。
 しばらく考えた後、まだ胡乱気な霊夢の目が霖之助の目を覗き込んだ。

「…いいの?」
「ああ」

 霖之助は、いつもではありえない謙虚さの霊夢に軽く鳥肌を立てながらも、首を縦に振った。 
 その言葉に安心したのか、静々と少し早めの昼食に手を付け始めた。
 断食後に早食いは良くないと知っているらしい。
 これまでに何度かあったのだろうか。

「…ごちそうさま」

 箸をおいて、両手を合わせる。
 その表情はなんとも満ち足りたものだった。

「ありがとう、霖之助さん。もう少しで死神にお世話になるところだったわ」

 しかし霖之助はそっぽを向き、

「昨日の残りを暖めただけだ。別に礼を言われるほどじゃない」

 と嘯くだけだった。
 それが嘘なのは見え見えだ。
 それは食べた霊夢が良く分かっている。
 急ぎで作ったものだった。
 つまり、昨日のものではありえない。

「そう」
「ああ。ツケを払わないまま逝かれては、僕も困るからね」

 そう本に目を落としながら言う霖之助を、クスクスと笑みながら見つめる霊夢。
 ここ最近で一番分かりやすい霖之助だった。




 その後も度々、霊夢は香霖堂でご飯を食べて行くと言う。
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