植木投げの法
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ある日ある時
 書いていて思いました。
 ああ、私は『いつの間にか好きになっていた』が好きなんだな。と。

 一人称を『私』にしてみました。
 敬語が使いやすいようにです。
 変でしょうか。

 今回のはリクエストの内の一つ、小町です。
 題名はアレですが、ほのぼのを目指したつもりです。
 最初は『あるはなし・僕と私と』にしようかと思ったのは機密です。
 ええ、書いているうちに軌道修正できてよかったです。


『ユニオン・ソウト』



「小町、小町」
「んぁ…?」

 とある夕暮れの湖に、二つの影があった。その主は、一つは横たわり、もう一つはあぐらをかいて座っている。その影は重なっているので、一つとも言えなくも無いが。

「ほら、起きたほうが良い。もう日も暮れはじめてる」
「…嘘吐くな、そんなわけないだろ」

 一つの影が、自分の膝の上に頭を乗せて寝ているもう一方を起こそうとするが、しかしなかなか起きない。彼女の性質上、当たり前といえば当たり前だが。これに対する正しい対処法は、ゆっくりと時間をかける他には、少なくとももう一方の影こと霖之助には無い。

「目を閉じていたって分かるだろう? 綺麗な夕日がほら」
「何言ってんだ霖之助。スベってるぞ」

 煩わしそうに小町が呟く。ため息を吐く霖之助。頭を掻いてしばらく考え込む。小町は、そんな霖之助をせせら笑うように、顔を膝に押し付ける。このまま行けば、ゴロゴロと喉を鳴らし始めるかもしれない。

「もうそろそろ夜になる。危ないよ」
「あたいをなめるなよ、りんのすけぇ」
「僕が」
「…あ~」

 納得する小町。何気に酷い気もするが、事実なのでしょうがない。しかし、納得したままで、小町は動かなかった。

「…やだ」
「へ?」

 霖之助に顔が見えないように体勢を変えると、さっきよりも小さい声で呟いた。そのまま本格的に動かなくなった。真意が読めなくて困った霖之助は、困り果てるばかりだった。すこし、考えに耽る。
 それはいつだったか。最初に、あの湖で会ったときかもしれない。その次の、自分がわざわざ相手の方まで赴いた時かもしれない。もしかしたら、つい最近かもしれない。気がつけば、この人を考えていた。気がつけば、この人がいるであろう方角を向いていた。だが、特に意識もしていなかった。それが今日になって、耐え難い意識になった。何故だろうか。

「なぁ、霖之助」
「なんだい?」

 沈黙する。夕日はもう残滓を残すだけになり、おずおずと蛙が鳴きだす。そのまま半刻、日の光が完全に無くなるまで、環境音の中の静寂は続いた。

「あたいは、霖之助の膝でねちゃあダメなのか?」

 霖之助は質問の意図が読めず、一瞬意識を空白にしてしまった。この手の質問には早く返さなければ、こちらが不利になる。しかし、霖之助の脳も、口も動いてくれなかった。

「なぁ、りんのすけぇ…」

 沈黙を続ける霖之助に不安になったのか、小町が不安げに呟く。そこでようやく霖之助の凍結が解けた。そして、ため息を吐く。

「りんのすけ?」

 頭を上げて顔を伺おうとする小町を制して、霖之助は頭を撫でてやる。

「駄目なわけ、ないじゃないか」

 ここでハッキリと自分の気持ちを言えないのは、さがだろうか。進展は限りなく遅い。だが、着実に進もうとしている。なにせ彼女と彼の考えは、ことごとく合同だった。

 結局、その日は、隠れて見ていた烏天狗のネタになりそうな話は何も無かった。なにかが起きたのは、次の日の朝。

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