植木投げの法
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木漏れる雨
 昨日は雨が降っていたので。


『木漏れる雨』
 しとしとと、鼻の先で雨が降る。
 私は木陰で濡れていないが、ほんの少し先の地面は濡れていた。
 …災難、である。
 魔理沙の家に行った帰りに、雨に降られるなんて。
 なぜ魔理沙の所にいるときに降らなかったのだろう。傘を盗んで帰ったのに。
 あいつがいつもしてる事だし、文句も言えないだろう。
 …いや、魔理沙なら言うか。

「あら?」

 そんな事を考えていると、向こうから雨に打たれた誰かがやってきた。
 銀色の髪に、青と黒の服。
 長身の上にあるアホ毛は雨だと言うのに元気に立っていた。
 霖之助さんだ。
 雨宿りできそうな木を探してここまで走って来たのか、若干息が荒れている。
 なかなかに珍しい光景だ。
 密かに笑いを堪えていると、霖之助さんが私の隣に駆け込んできた。

「奇遇ね」

 なんて言ってみたが、霖之助さんは息を整えるのに必死で聞こえていないだろう。
 体力無いなぁ。
 クツクツと、笑いを漏らしてしまった。
 やっと息を整え終えたのか、霖之助さんが睨んできた。
  
「霊夢、君みたいに空を飛べるわけじゃないんだ」
「空飛んでても疲れるわ」

 霖之助さんは何かを続けようとした口を引き結んでしまった。
 悔しいのだろうか。たまに…いや、結構な頻度で子供っぽい。
 そう言う所を直せばちょっとはかっこいいのに。

「しかし、まさか君がいるとはね」

 まったくだ。なんで私がここにいるのか。
 その気になればすぐにでも帰れると言うのに。 

「君なら雨なんか気にせず帰れるだろう」

 ほら、霖之助さんもつっこんできた。
 まぁその通りなのだけど。
 でも別にいいじゃない。
 私にだって歩いて帰りたいときもあるんだから。

「雨の中、傘を差さずに踊る人間がいてもいいじゃない」

 霖之助さんが怪訝な目で見てくる。
 おかしいだろうか。
 これでも一応、風流や情緒を楽しむ心はあるのだけれど。

「自由って、そういう事よ」
「…そうか」

 それに何を感じ取ったのかは分からないけど、霖之助さんは黙り込んでしまった。
 またどうせ、くだらない事を考えているのだろう。

「そうだね、それもいいかもしれない」

 今度は私が驚く番だった。
 そんな私を尻目に、霖之助さんは木を背もたれにして座り込んだ。
 雨は段々と弱くなってきている。
 この調子だと多分、持って一時間ほど。
 …持って。
 まるで雨が長く続いてほしいと思っているような言い草だ。
 気のせいだろうか。
 まぁいいか。
 霖之助さんが座ってるのに私が立っているというのも座りが悪い。
 肩を並べるように私も座った。
 …まぁ実際は、私の頭がある位置は、霖之助さんの肩辺りなのだけど。

「雨の中で踊る人間も、か」

 触れている肩が、少しずつ冷たくなってくる。
 そう言えば霖之助さんは濡れてたんだったけ。
 私は肩出していると言うのに、なんということだ。

「霊夢、濡れてるよ」

 霖之助さんも気が付いたらしい。
 私を気遣ってくれたようだ。珍しい。

「大丈夫よこれくらい」

 まぁ、霖之助さんも冷えてるから、私で温まれば重畳。
 肩が触れてるだけじゃ無理だろうけど。
 霖之助さんの髪を伝って、私の肩に雫が落ちる。
 どうやらもたれかかられているようだ。
 このまま寝てしまうのだろうか。
 と言うか、そんなに疲れていたとは。本当に体力無いなぁ。
 霖之助さんの事だし、風邪は引かないだろうけど…

「年寄りが体冷やしたまま寝るのは良くないわ」

 ペチペチと霖之助さんの頬を叩く。
 放っておいたら…というか、もう船を漕いでいる。
 しょうがない。

「ん、うわ」

 木にもたれた霖之助さんに覆いかぶさる。
 濡れてない所は意外と暖かい。
 眠いからだろうか。
 霖之助さんも驚いただけで、大した反抗はしない。
 と言うか、する気力も無いようだ。

「霊夢…」

 軽く咎めるような口調。
 よくよく考えてみれば、かなり暴走気味だ。
 まぁでもいいか。もうどうでもいい。
 だんだん暖かくなってくるのを感じながら、雨が止まないのを心の隅で願うのだった。




 そして二人で魔理沙の世話になったのだった。


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