植木投げの法
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暗雲の無い天の川

 ギリギリセーフでしょうか、アウトでしょうか。
 とりあえず七夕ネタです。
 あんまり七夕関係ないかもしれませんが、一応。
 …あれ、おかしいな。
 もっと騒がしいのを書く筈だったのに…。


『暗雲の無い天の川』


 かなりの短冊が吊るしてある笹が一本。
 博霊神社の本殿の前では、その笹を囲んで宴会をしていた。
 酒精と声が氾濫し、その様はまさしく『馬鹿騒ぎ』だった。
 その端、ギリギリ輪の中にいるくらいの場所に、日陰者の店主がいた。
 膝の上で寝転がっているのは、酔い潰された椛。
 隣の硬い石の上には、同じく酔い潰された妖夢。
 いつケロリとやられてしまうか気が気ではないが、無理矢理起こすのも気が引ける。
 結局、悩みながら既に二時間。
 まだ日も高いうちから始まったのだが、ダウンしているのはこの二人のみだ。

「あ、霖之助いた~」

 ふやふやと浮遊してきたのは、酒気で頬の赤くなったルーミアだった。
 確実に酔っているようで、飛び方も危なっかしい。
 そのまま胸に飛び込んできたので、膝の上で落ちている椛に当たらないように抱きとめる。

「飲んでないねぇ、りんのすけ~」

 霖之助も慣れているのか、背中と尻の下に手を回し、ずり落ちないようにする。
 必然的に、抱っこの形になる。
 ルーミアは霖之助の肩に顎を乗せて、息を吐いた。
 酒臭かった。

「ルーミアはちょっと飲みすぎじゃないかな?」
「大丈夫だよ、これくらい。霖之助も飲まないと」

 と言って、どこからか酒の瓶を取り出した。
 しかしコップもないので、そのまま呷ることしか出来ない。

「どうしよ」
「…いや、待て、なんだか嫌な予感がする」
「駄目、飲むの」
「そ、そうだルーミア。短冊には何を書いたんだい?」

 強引に軌道を変更する。
 両手が塞がっている今、霖之助にはそれくらいしか出来なかった。
 ルーミアも気が逸れたのか、地面に寝ている庭師の腹の上に瓶を落として、思い出している。
 妖夢の潰れたカエルのような悲鳴とその後の呻き声を聞きながら、ふむふむと悩んでいたが、ふと顔を上げた。
 そして呆けた顔で言う。

「あ、まだ何も書いてなかった」

 と。
 肩透かしを食らった霖之助だが、自分も書いていないことに気付く。
 どうしようかと一瞬悩んだ。

「…そうだ、僕の分も書いて吊るしておいてくれないか?」
「うん、いいよ」

 二つ返事だった。
 またちょっとだけ肩透かしを食らいながらも、よろしく頼むよ、と呟く。

「なんて書けばいい?」
「…そうだね、『お店が繁盛するように』と書いてきてくれるかい?」
「うん、わかった」

 笑顔を咲かせたルーミアの頭を撫でてやり、笹のほうへ行かせる。
 確か字は書けたはずだろうと思いつつ、妖夢の腹の上に落ちていた酒瓶を拾い上げた。
 コップを持ってきてと言うのを忘れていたなと呟いて、小さくなったルーミアの背中を瓶越しに眺めた。
 黒い服の上に流れる金の天の川が、普段よりも少しだけ美しく見えた。

 宴会は久々に来たが、まぁ、これはこれでいい物だと思ったかもしれない霖之助だった。
 










「ずっとルーミアといられますように  りんのすけ」
「ずっとりんのすけといられますように  ルーミア」



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