植木投げの法
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酔っ払いと永琳
 書いていたのに一度消えてしまいましたウフフフフ。
 折角あとはもう推敲だけだっていうのにウフフフフ。
 ごめんなさいヤンデレの御方。もう少し先になりそうです。
 エスケープキーを呪殺するしかありません。

 と言うわけで、今日は別のお話でお茶を濁します。

追記:拍手の種類を増やしました。



『酔っ払いと永琳』


 時節は黄昏。ルーミアが起き出すには早く、萃香は日が昇って早々に酒を飲みだし、あまつさえ霖之助に飲み比べで負けて気絶。霖之助もほろ酔いで上の空。店内は妙に酒臭い。店外は牛乳を吸った古雑巾臭い。なんというか、あんまりだ香霖堂。それでも店には客が来た。しかも香霖堂には珍しい、常連という人種だ。

「ねぇ、霖之助」
「なにかな? …ああ、今日は指輪か。良い色だ。似合っているよ、永琳」
「ありがとう」

 アルコールの効果か、褒められて大人しく喜ぶ彼女を見たからか、妙に和んでいる霖之助。他の女性の細かな装飾には気付かないのに、なぜか永琳のそれに関しては目ざとかった。最初は霖之助自身が戸惑っていたものの、毎回手を変えてくる永琳相手に、半ば楽しんでいた。しかし、それも酔いのせいで複雑な感情にって来る。ついでに霖之助の頭の動きも複雑だ。

「酔ってるの、霖之助?」
「…ああ、萃香に付き合わされてね。まったく、あんなに飲むなんて」

 そう呟くと、勘定台に突っ伏す霖之助。まだ見た目よりも多めに酔いが残っているらしい。そうしていると、頭に何かが触れたのを感じた。恐らく、永琳の手の平だろう。そのまま大人しく撫でられている霖之助。幼児退行が進んだのだろうか。しばらくそうしていたが、不意に霖之助が呟いた。

「そういえば。どうして君は毎回、何かしらの装飾を着けてくるんだい?」

 その問いに、永琳はため息を吐いた。それも深い深い、まさにディープブレスの見本と書いて置けそうなものをこれみよがしに。まぁ、霖之助を相手にして、その心を理解しろ、だなんていうのは無理臭い話だが。

「分からないならいいわ。気付いてくれるのを持つことにするから」

 そんな日が来るのか、定かではないが。もしかしたら死ぬまで来ないかもしれない。霖之助が戸惑ったような雰囲気を醸し出す。怒られた子供のような反応だった。酔うと幼くなるのか霖之助。

「…そうだ」

 突然、何かを思いついたのだろうか、霖之助が立ち上がった。そして店の奥に引っ込んだ。永琳が困惑すること数分。戻って来た霖之助が持っていたのは、銀色の指輪だった。

「折角来てくれているんだ。少しくらい親切をさせてくれ」

 と言って、銀色の指輪を手渡した。当然、いきなり渡された永琳は戸惑った。酔っ払いの突拍子の無い行動は、時に心臓に悪いものだ。

「残念ながら、内側に回しても透明にはなれないよ。でも心を蝕まれることも無いから安心して」

 しばし考え込んだ永琳だったが、何かを思いついたように、人を食いそうな笑みをした。

「霖之助、こういうのは渡す人が指に着けてあげるものよ?」

 永琳、心の中で邪悪に微笑む。霖之助の慌てた仕草が目に浮かぶようだ。しかし、時に酔っ払いは月の頭脳を凌駕する。まして、酔っているのは霖之助だ。

「そうだね、じゃあ手を貸してくれ」
「…は?」

 言うが早いか、呆気に取られている永琳の左手を手に取り、薬指に指輪をはめていく。

「たしか、左手の薬指に指輪をはめるのは、創造性等を刺激するとか…。それに薬指は医者の指だからね」
「そうなの?」

 逆だ酔っ払い。しかも二人ともその真意に気付いていない。オモイカネブレインはこう言う事に疎かった。なにせ古の神故に。最初は照れていた永琳だが、落ち着きを取り戻し、切り返す。

「じゃあ、折角だし私も…」
「いや、これはあくまでおまけのような物だから、君が返す必要は…」

 その言に、むくれたような芝居をして返す永琳。さすが思慮の神の名を冠すだけあって、絶妙な演技だった。

「あら、これも一種の契約じゃない。どうせ安物だし、対価にはちょうどのはずよ」

 言ってることは若干変だが、酔っ払いは騙せた。そうして永琳は、自分の中指に着けていた指輪を外す。霖之助は釈然としない顔のまま、永琳に手を預けた。

「同じところでいいわよね。…あれ?」

 意外にも、大した抵抗もなく指輪は着けられた。

「なんだか、複雑ね…」
「…?」

 もっとこう、入らなくてどうこうと言うオチを想像していた永琳は軽く落ち込んでいた。当然、霖之助にそんなことが分かるはずもなく、不思議そうな顔をするだけだった。しばらく落ち込んでいたりしていたが、不意に店の奥から物音がした。ルーミアが起きたのだろう。

「気にしないでくれ。多分、壁に頭でもぶつけたんだろう」
「そう。まぁ、もう良い時間だし、私はお暇するわ」

 そう言うと、永琳は踵を返した。冷静になってみて、自分がどれだけ恥ずかしい事をしたのか思い出したのだろうか。

「そうか。じゃあ、またのおこしを」

 永琳が手を振っ様子を見えたのは、扉が閉まる直前だった。そして少しの間だけ静寂が香霖堂に沈む。しかしそれも本当に少しの間だけ。酒の臭いだけで酔ったルーミアが霖之助のボディにいい物をくれるまでしか持たなかった。

 ひと悶着が起きるのは、そのもう少しあとであった。
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