植木投げの法
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銀髪の人たち・B面

 ちょっとスタミナ切れが激しかったり。
 今日のssは特に顕著です。
 後半になればなるほどお粗末に。

 今回はB面です。
 もう一回続くかは、正直分かりませんが。

『銀髪の人たち・B面』


 妖夢が不穏な空気を察知して、警戒しながら窓から覗き込まれている香霖堂。
 外では殺気と熱が渦巻いていたが、中では殺意だけが、しかしより濃密に渦巻いていた。
 油断すれば殺られる。
 そんな空気が、霖之助を挟んで炸裂していた。
 一つは永遠亭の薬師。
 もう一人は、半分白沢の教師だった。

「懲りないな、御老体。霖之助は私のだと何度言えば…」
「あら、誰が御老体かしら。それに霖之助は誰のものでもないでしょう?」

 と言って、永琳は霖之助を見る。
 言われていることは間違っていなかったので、本から目を離さずに頷く。
 察してくれると嬉しい。
 迂闊に目線を上げ、どちらかに視線をよこしたら、どうなるか分かったものではないのだ。

「ほら見なさい。これから私のものになるのに、誰のものでもあるわけ無いじゃない」
「なに!? って、そんなわけない! そもそもお前はあの態度のでかいヤツの面倒を見るので精一杯なんだろう!?」

 態度のデカいヤツ=輝夜だろうか。
 敵意と犬歯を剥き出しにして威嚇する慧音と、腕組みをして微笑みながら喧嘩を売る永琳。
 外でも見かけたような光景だったが、どちらとも積極的に手を出す方ではないので、「お前ちょっと表でろ」みたいな事は起きそうになかった。
 あくまで過去形だが。

「あの程度なら、もう片手間で何とかなるわ」

 ふっ、と遠い目をして息を吐いた永琳。
 少し気性を削がれた慧音だったが、すぐに持ち直す。

「じゃあもう片手で、兎の世話をしてやったらどうだ?」
「あら、鈴仙とてゐなら平気よ。見かけによらず、有能なの」
「いや、よく見ろお前! あの大きい方の兎、だいぶ憔悴してたぞ」

 何故か永遠亭の職員事情まで知っている慧音だった。
 相談でも受けていたのだろうか。
 容易に想像できるのは、慧音の面倒見が良いからだろうか、それとも鈴仙が苦労性だからだろうか。

「本当? ちょうどいいわ、新しい栄養剤が…」
「待て待て待て! なんだその如何にも「劇薬ですよ」みたいな薬のビンは!」
「違うわ。コッチは霖之助に使う媚や」
「いや、いい! もういい!」

 外の暑さの残滓も相まってか、慧音の顔はもう真っ赤だった。
 肩で息をしながらも霖之助を死守せんとする慧音に、永琳はため息を一つ吐いた。
 その仕草はどことなく、霖之助に似ていた。

「まったく、じゃあ、私は邪魔がいなくなったらまた来るわ」

 と言い残し、勘定台に背を向けた。
 そのまま扉までゆっくりと歩き、手を掛ける。

「また来るわ、霖之助。今度はもっと良いお土産持ってきてあげる」
「また来るのはいいが、お土産は遠慮するよ」
「あら、てゐは嫌い?」
「どうせすぐに帰るだろう」

 冗談を言い合いながら、永琳は店を後にした。
 急な展開に呆けていた慧音だが、しかし気を取り直して立ち上がる。
 そして霖之助の方へ向かおうとしたその瞬間。

「おい慧音! もうそろそろ七時になるぞ!?」

 永琳が出て行ったばかりの扉を勢いよく開かれた。
 現れたのは、ボロボロになった妹紅。
 所々に赤いラインが入っているのは、いまだ回復しきっていないからか。

「なに?」

 言われて時計を見てみれば、確かにもう少しで七時になるところだった。
 目に見えて焦りだす慧音を見て、霖之助はため息を吐いた。
 その仕草はどことなく、永琳に似ていた。

「また明日にでも来るといい」

 本を閉じ、勘定台から立ち上がると、慧音の後ろに立った。
 そして背中を押し、妹紅の方まで誘う。

「香霖堂は、君が歴史を食わない限り無くならない」

 最後に慧音の背中を軽く押し、名残惜しげな視線に背中を見せる。
 ひらひらと手を振ったのを見て、今度は慧音がため息を吐いた。

「それじゃあ、またのお越しを」

 妹紅に急かされ、香霖堂の扉はゆっくりと閉められた。
 少しの静寂。
 香霖堂にいるのは霖之助と、未だ覗いている妖夢と

「あ、おはようございます、霖之助さん」

 どう考えても寝起きの少女だった。


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